第40回医学部FD開催報告

平成29年6月28日、3-1共通セミナー室において、カリキュラムプランニングをテーマに第40回医学部FDが開催されました。参加者はわずかに10名でしたが、少数精鋭、各グループともに和気藹々と作業を進めておりました。まず医学教育推進センター坊垣先生が「目標説明」についての講義し、その後参加者は3グループに分かれ、カリキュラム作成開始となりました。次いで医学教育推進センター小野澤先生の「方略・評価」についての講義の後、再度各チームに分かれ、作成したカリキュラムについて具体的な方法、予算、そして評価法などを煮詰めるディスカッションがおこなわれた後、いよいよ各グループのカリキュラムが発表されました。

Aグループは「胃癌の診断」をユニットテーマとし、「胃がんの初期診療と画像評価をとおして治療方針につなげる診断能力を身に付け、患者に分かりやすく伝えることができる」を一般目標として、初期研修医に対する1カ月の集中講義のカリキュラムを作成しました。非常に現実的かつ短時間の作業時間にもかかわらずカリキュラムは緻密に組まれており、今からでも実施可能なように思われる完成度でした。

Bグループは「発熱に対する対応」をユニットテーマに、「発熱患者の初期診療と専門医にゆだねるべき状態の判断をする臨床能力を身につける」を一般目標として、初期臨床研修1年目に対する1年を通したカリキュラムを作成しました。自主参加とする反面、参加のモチベーションアップのためお弁当を準備するなどの工夫は、恐らく初期臨床研修医の生の声から出たアイデアなのかと思いました。しかしこれだけ工夫しても参加者は50%ぐらいであろうと見積もっているあたりは、ある意味初期臨床研修制度の問題点を浮き彫りにしているようにも思われました。

Cグループは「肺炎の診療」をユニットテーマに、「細菌性肺炎患者の診断・初期治療ができる」を一般目標として、4年次4月に行う集中講義としてカリキュラムを作成しました。実はグラム染色などの微生物学検査は医学教育のガイドラインに最低限修得すべき基本的臨床手技として記載されてはいるのですが、未だ実現されておりません。知識を講義で身に付ける中、実臨床に直結する実技演習を取り入れるカリキュラムは、学生の探究心をくすぐり効率よい学習を得られると思われました。

締めくくりは医学教育推進センター大滝教授の講義でした。FDという言葉の意味はおよそ半数の教員が知りませんでした。また今回のFDで学んだカリキュラムプランニングは学習過程を基盤とした方法で、理解しやすく当面は国内の共通言語として使われていくが、世界の趨勢あるいは今後については学習成果基盤型カリキュラムであるOutcome Based Educationに移行する方向にあり、実際日本のガイドラインである「医学教育モデルコアカリキュラム」の最新版では一般目標(GIO)、行動(到達)目標(SBO)と言う基盤型カリキュラムの文言が消えたとの事でした。

今回参加者は10名と昨年よりは多いものの、本来対象となる新任教員全体の数に比べれば極端に少ないと思われました。テーマ選択の問題もあるのかもしれませんが、「教員の質を担保する」というFDとしての用を成していない可能性もあり、今後改善する必要性を強く感じております。FDについてのご要望やご意見がございましたら、ぜひ医学教育推進センターまでご連絡いただけましたら幸いです。「医学教育の推進」のため、皆様のご支援とご協力をなにとぞよろしくおねがいいたします。

アンケート結果

文責  医学教育推進センター/消化器外科学教室II 村上壮一