第46回 医学研究院・医学部FD開催報告

第46回 医学研究院・医学部FD開催報告

平成30年8月10日(金)、11日(土)の両日に渡り、第46回 医学研究院・医学部FD(Faculty Development)が札幌北広島クラッセホテルにおいて開催されました。

午前9時に医学部をバスで出発後、医学教育・国際交流推進センター本間助教の司会の下、車内で自己紹介が行われ、午前10時に札幌北広島クラッセホテルに到着しました。開会の挨拶が吉岡医学研究院長から行われ、医学教育・国際交流推進センターの大滝統括副センター長より「FDについて」の講演があり、FDの成り立ちやワークショップについて説明が行われました。2007年まで努力義務であったFDは、2008年より大学設置基準として義務化され、更に4分の3以上(現状は5割弱)の出席という数値目標が示されたことなど、その重要性について説明が行われました。続いて、畠山副研究院長、村上学国際連携部門員より「国際連携教育」について基調講演が行われました。この中で学部学生、大学院生の受入・派遣の現状、受入学部学生・大学院生で実際に起こった問題が例示されました。本学と協定校・非協定校間の学生・大学院生の国際交流が広がる中で様々なレベルの課題があることが説明されました。

引き続いてのグループ討論では、テーマである「国際連携教育」について4班(グループ名:北海道医学教育ファイターズ、ホルスタイン、ファイターズ、越乃寒梅)に分かれて、基礎・社会医学系教員はGraduate studentsの長期受入、臨床系教員はUndergraduate studentsの短期受入について、A)学生・教員の個人レベルで対応可能な問題、B)教室・分野レベルで対応可能な問題、C)部局・大学レベルで対応可能な問題について検討が行われました。分化、宗教、言語、経済、留学生のレベルに基づく問題点が挙げられました。また、担当した部局・担当者への評価、実際に問題が起きた場合に現場(教員側)を守るガイドラインについても問題点として挙げられました。評価に関しては、村上学国際連携部門員より留学生からのフィードバックの収集が行われており、将来的に評価、フィードバックに反映される様システムが模索されていることが説明されました。解決策として、大学側より注意事項・一般事項の例示等の啓発活動、様々なレベルでの細やかなコンタクト、コミュニティへの積極的な参加、受入側キーパーソン間の情報共有等が挙げられました。あわせて、受入側キーパーソンのポストの確保、受入分野およびキーパーソンへのインセンティブの付与(例:FDポイント)等の提案が行われました。

学務部国際交流課馬渕課長補佐より、留学生の受入・派遣に関する事務組織改編、現状について講演がありました。留学生の受入・派遣に関しては、従来、学務部および国際部が担当窓口となっていたが、改組が繰り返され、直近の平成30年7月にも改組があり学務部へまとめられたこと、平成11年には留学生受入業務のみであったが現在は留学生受入業務と本学からの派遣業務が行われていること、留学生受入中期目標が平成33年に2200人のところ平成30年に2101人と直近3年間で急激に伸びていること、平成30年の受入の内修士課程の学生が前年比121%と伸びていたこと、旧七帝大+筑波大の留学生受入調査から本学の受入数はいくつかの大学を上回っており国立大学内での受入状況は良いこと、留学生受入数の増加の理由は現在のところ不明であることが示されました。一方、本学からの派遣数については、中期目標1250人に対して776人であり、本指数が指定国立大学の基準にもなっていることから改善が必要であることも示されました。問題点として、受入前にミスマッチを防ぐ、受入後の保険加入を義務づけることに加えて、大学のグローバル化を目指すのであれば対応可能な人員の配置が不可欠であることも合わせて示されました。

毎年恒例となった夜のディベートでは、「国家試験対策」というテーマで佐藤教育助教の司会の下、大学として国家試験対策を行うことについて賛成派・反対派に分かれてのディベートセッションが行われました。本学の医師国家試験合格率が、42国立大学中42位という現実を受けて、熱い議論が交わされました。テーマが7:3で賛成派有利と考えられる中、反対派の最終反駁により僅差ながら反対派に軍配が上がりました。夜のディベート後、とある一室に医学教育・国際交流推進センター所属の9人が参加して深夜のディベートが開催されました。テーマは、国家試験対策、センターのこれからの役割、倫理的問題等多岐に渡り、夜のディベート以上に深い議論が夜2時半まで繰り広げられました。

2日目には、大滝統括副センター長より「Post-CC-OSCE」について講演が行われました。CBT、臨床実習前OSCE、診療参加型臨床実習後に総合的な臨床能力をはかる意味合いがあり、平成29年度に23大学でトライアルが行われ、平成30年度には本学も参加を予定していること、平成32 年度より正式な実施が行われることが示されました。現時点ではトライアルでの参加であることもあり、受験基準が定まっていないこと、評価方法が決まっていないこと、結果の扱いが決まっていないこと(進級判定に用いるのか?)、実施施設・教員への負担軽減策が実施されるか不透明であること等が問題点としてあがりました。

最後に修了証授与が吉岡医学研究院長、閉会の挨拶が久住医学科教務委員会委員長より行われ閉会となりました。

本年度は、平成最後の医学研究院・医学部教育ワークショップでした。テーマが現在進行形の切実な問題点であったこともあり例年にも増して活発な議論が繰り広げられました。お忙しい中、多数の方にご参加頂き、誠にありがとうございました。

文責:坊垣 暁之