【海外留学報告】プリマス大学(イギリス)

医学部医学科 有賀 茜

留学先:プリマス大学(イギリス)
期間:2016年2月22日~3月18日
留学の種類:医学教育振興財団
留学時の年次:5年次

医学教育振興財団が主催する「平成28年度 英国大学医学部における臨床実習のための短期留学」に応募し、2016年2月~3月の1か月間、イギリスのプリマス大学に留学しました。
留学に興味のある医学生の参考になればと思い、詳細を報告いたします。

1. JMEF留学プログラムについて
2. 留学までの流れ
3. 実習内容
4. プログラムを通しての感想

1. JMEF留学プログラムについて

医学教育振興財団

JMEF; Japan Medical Education Foundation

  • 日本と諸外国の医学教育の方向と実情を調査・研究し、医学教育の充実向上と医学の振興と社会福祉への貢献を目的として、1979年に設立された公益財団法人
  • 「英国大学医学部における臨床実習のための短期留学」も開始以降、約25年以上の歴史を持ち、参加者数は400名を超える。
  • 上記留学プログラム以外にも、医学研究助成や日英医学教育会議など幅広く活動を展開している。
  • 歴代理事長には、現日本医学会会長の高久文麿先生

今回応募したプログラム

公益財団法人医学教育振興財団
「平成28年度英国大学医学部における臨床実習のための短期留学」

【趣旨】
日本の大学の医学部学生を、英国の大学の医学部において4週間臨床実習に参加させ、充実した臨床実習の機会を与える。

【応募資格】

  • 翌年度、医学部最終学年に進学する学生(応募時点では医学部5年生)
  • IELTSAcademic Moduleを受験していること
  • 約1年間の臨床実習期間を終了していること

【大学資格】
1大学2名を上限に精選し、財団へ推薦する。

平成28年度の本プログラム

【留学人数および派遣先】

【平成28年度 派遣メンバー構成】

平成28年度 倍率と面接試験

【倍率】

  • あくまでも留学者間による概算だが、留学決定者19名に対し、最終面接受験者が30名弱。
  • 学内選考で4名から2名に絞られた大学もあった。
  • いずれにせよ、財団による書類選考が最大の山場であり、留学に対する具体的な志望動機と展望が“鍵”となるらしい。

【面接試験】

  • 面接は、受験者1名に対し評議員5名で1対1の口頭試問形式(15分強)。
  • 受験者によって質問が異なっていた。
  • 面接に向けて、財団が毎年発行する報告書を読んで対策をした。
    (医学部図書館にも過年度約6年分の報告書がある)

例)私が受けた質問
・自己PRと応募動機(1分間、英語)
・イギリスに対するイメージ、国民性、気候など(英語)
・動脈硬化に対する治療、患者へのアプローチの仕方(日本語)
・イギリスの医療保険制度、日本との比較(日本語)
・ポリクリで印象に残った症例(英語)

IELTSとは

IELTS; International English language testing system

  • 海外留学・研修のための英語力証明
  • イギリス、オーストラリア、カナダなどへの海外移住申請に適した、 16歳以上を対象とした試験
  • 近年、アメリカではTOEFLに代わる試験として、 入学審査の際に採用する教育機関が3,000を超える。
  • 日本では、公益財団法人日本英語検定協会が実施運営している。
  • Listening/Reading/Writing/Speaking の4項目に対し、 0~9のバンドスコアで採点される。(0.5刻み)

 

2. 留学決定までの流れ

留学までのタイムテーブル

【応募のきっかけ】
部活の先輩が過去に本プログラムで英国留学なさったお話を伺い、5年生に進学した際には是非挑戦したいと以前から考えていた。

【IELTS 受験】
2016年1月と4月に2回受験し、成績の良い方を財団へ提出した。

【応募の告知】
5月初旬、大学掲示板にて平成28年度の応募が告知された。

【学内選考】
6月中旬に学内選考の締切、約3週間後に医学科教務から学内選考通過を受け取った。

【書類選考】
8月下旬、医学科教務を通して書類選考通過を受け取った。

【最終面接】
9月25日、JMEF事務所(東京御茶ノ水)にて実施された。

【結果告知】
10月中旬、医学科教務を通して留学決定通知を受け取った。

JMEFの先輩方

【北海道大学より】
柴田ひな先生 (89期) 平成24年度 Newcastle大学医学部に派遣
坂入あい先生 (90期) 平成25年度 Newcastle大学医学部に派遣
千丈創先生 (91期)   平成26年度 Southampton大学医学部に派遣

留学とポリクリの調整

留学にあたり、各科で日程を変更・調整していただいた。

・精神科
東京での英国VISA取得のため、1日欠席
・第一内科
2016/01/05~01/15(春休み期間)に変更
・第二外科
帰国後、2016/04/04~04/08に変更 (正規2週間の実習を1週間で認可)

財団からの補助

  • 補助金(約10万円)
  • 実習費用
  • 英国VISA取得料(約6万円)

※ 渡航費、滞在費は自費

3. 実習内容

私の行ったプリマス市

私の行ったプリマス市はイングランド南西部のデヴォン州にある港湾都市です。

プリマス大学での実習内容

2016年2月22日~3月18日
第1週: General Practice at Knowle House Surgery
第2週: Emergency Department at Derriford Hospital
第3週: NICU at Derriford Hospital
第4週: NICU at Derriford Hospital (continued)

【第1週】

【第2週】

【第3・4週】

【学生たちとの交流】

【観光】

4. プログラムを通しての感想

【印象に残ったこと BEST3】

  • 英国民のNHS加入、GPの存在、各医療スタッフの幅
  • 医学生の生活、「処方箋のテスト」、国籍、人種
  • 「日本」のブランド

【最後に】

本プログラムでPlymouthの実習を終えた後、第二内科のOlga先生、渥美先生より紹介していただき、University College LondonのRheumatology Clinicで1週間実習させていただく機会を得ました。

Plymouthと比較し、London中心部の医療はいかに高度で最先端に展開されているのだろうと期待していましたが、ここでも日本の医療水準の高さを改めて感じさせられました。

決してイギリスの医療レベルが低いと言いたいのではなく、日本で当たり前に感じている治療や検査ではありますが、その必要性について今一度客観的に考えるべきではないかと思いました。