【海外留学報告】UAE大学(アラブ首長国連邦)

医学部医学科 田村 俊文、山中 洋
留学先:UAE大学(アラブ首長国連邦)
実習期間:2017年12月10日~12月21日(2週間)
留学の種類:北海道大学医学部医学科(医学教育・国際交流推進センター主導)トライアル派遣
留学時の年次:5年次

1. UAE大学について、アラブ首長国連邦について

UAE大学はアラブ首長国連邦のアルアインに位置しており、首都であるアブダビと最大都市であるドバイといったペルシャ湾に面している両都市から各々150kmぐらい東方の内陸に進んだ場所に位置している。
大学生数は約14000名である。
大学の特徴は全学生のうち25%は海外留学生であり、UAEで1位、アラブ地域で6位と優秀な総合大学である。
アラブ首長国連邦の公用語はアラビア語であるが、経験上英語が通じなかったことはほぼない。アラビア語は方言が多く、時に互いに通じ合わないほど違いが大きいとの事である。宗教はイスラム教であり、金曜日が安息日で集団礼拝日であるため、平日は日曜日から木曜日で週末が金曜日と土曜日である。

United Arab Emirates University

UAE大学

• UAE大学には大きなジムもある。

Weight room in UAE

ウエイトマシーンルーム

Swimmingpool for UAEstudents

大学の学生用プール

2. 実習内容

田村 俊文
–実習場所:UAE大学/Tawam病院 循環器内科
–実習期間:2017年12月10日~12月21日

実習は循環器内科で行った。循環器内科にも二つのチームがあり、私は心不全グループに所属した。毎日のスケジュールはほぼ一緒で、朝9時からカンファレンス、その後回診をして、昼食を挟み、午後は現地の学生と共に診察をした。回診は一人一人丁寧に行われ、患者の多くがアラビア語話者なので、先生や学生に英語に通訳してもらった。問診の間にも心音の聴取や身体所見などを指導してもらいつつ行った。

Photo taken with UAEstudents

UAE大学の学生と

山中 洋
–実習場所:UAE大学/Tawam病院 小児科
–実習期間:2017年12月10日~12月21日(最初の2日間は研修)

小児科は日曜日、火曜日、木曜日は8時からで、月曜日と水曜日は7時半から。7時半からlecture があり、8時から hand over、9時から回診で、この時に教授が解説やdiscussion をしながら昼ぐらいまでまわる。12時から13時は known lecture (cardiology)、15時から16時は hand overで終わる。CTU (continuous teaching unit)1/2 と GPU (general pediatric unit) に分かれており、CTUは病院で入院患者を診て、GPUは外来で患者を診る。空き時間は誰か先生について、その先生が診察する所を見ることも可能。

Tawam Hospital

Tawam病院

3. 留学に至るまでの準備

(学内審査により留学が決定後、留学に至るまでの工程)
実習病院や実習日程については、予め、医学教育・国際交流推進センターの村上先生から先方に連絡し確定していただいていたため、私たちからはそれに関して調整していない。
UAE大学は付属病院を持っていないため、隣接するTawam病院での実習だった。実習病院は先方大学からの指定で、選択の余地はなかった。
医学教育・国際交流推進センターから送られてきたURLからhome page画面で実習申し込みをする。
そこには実習期間や病院、パスポートの写真や北大からの推薦状、成績証明書を添付する必要があった。推薦状に関しては2通(2名からの推薦状が)必要で、村上先生に用意していただいた。もちろん、入力画面は全て英語だが、特に問題なく入力できた。
その後、メールでUAE大学の方と宿について調整し、Tawam病院の事務の方と実習する科などについて連絡を取り合った。
現地に着いてからの事務手続きは、日本で宿代の送金をしたのでその領収書をUAE大学の会計に提出した。これらの事に関してはUAE大学の方が現地で手伝ってくれた。
以上が大まかな事務手続きの流れだが、基本的に村上先生もしくはUAE大学の事務の方が非常に丁寧に指示してくれたので、滞りなく進めることができた。UAE大学の事務の方は現地でも携帯の契約などにもわざわざ付き添ってくれたり、非常に親切に手助けしていただいた。事務手続きに関しては特に心配することはないと思う。

• ワクチンについて
UAE大学ないしTawam病院からの指定はなかった。国からの義務もなかった。

• ヘルスチェックについて
UAE大学ないしTawam病院からの指定はなかった。

• ビザについて
在東京UAE大使館に問い合わせたところ、私たちの滞在日数であればビザは必要なしとの回答を受け、ビザなしで入国・滞在した。私たちの場合2週間のトライアル期間であったが、4週間の留学期間になっても同じだと思う。ただ、電話一本で、日本語でその場で回答してくれるから、念のために問い合わせると良い。

• その他重要な事務手続き
事務書類に渡航歴や家族、友人まで書く欄あり。

• 航空券
航空券はUAEの書類審査による入国許可が終わるまで購入しない。実習開始日1ヶ月前ぐらいに結果を伝えてくれる。

4. 実習での服装

服装は革靴にシャツをお勧めする。医師はスニーカーを履いているが、こちらは実習生として少し改まった格好をした方が良いだろう。また、医師はある程度落ち着いた服を着て、上に白衣を羽織っている。スクラブやKCは持って行く必要はない。オフィスカジュアルを目安にすると良い。

5. 交通手段・交通費について

• 空港からUAE大学まで
アブダビ空港からでもドバイ空港からでも大学があるアルアインまで2時間くらいかかるが、都市間バスで千円かからない。タクシーを使えば、1万円くらいか。
アブダビ空港-(バス) →アブダビのバスターミナル-(都市間バス) →UAE大学前
あるいは
ドバイ空港-(電車) →ドバイのバスターミナル-(都市間バス) →アルアインのバスターミナル-(バス) →UAE大学前

私たちは個々に行ったので迎えはなかったが、複数人で行く場合は大学の職員が空港まで迎えに来てくれ、諸手続きを同時にしてくれると聞いているので、学生は一緒に行く方がよいだろう。その際、Al Ainが最寄りの空港であるが、DubaiでもAbu Dhabiでも問題無さそうである。Al Ainは小さめな空港なので、航空券代が多少高くなる。

● 毎日の実習
宿舎からTawam病院への交通手段は、バス(片道2AED、60円程度)を使った。
大学周辺は、バスに1回乗るとどこまで行っても2AED。

6. 宿舎について

UAE大学近くのTawam病院で実習を行い、Tawam male housingに宿泊した。宿泊費は2週間で700AED(22,000円)だった。female用もある。病院と自分の部屋との距離は5kmくらい。
また、UAE大学側は可能な限り帰国日(退室する時)も同日にして貰いたかった様子である。

7. 治安・安全について

大学近くは治安が良い。日本と同様の心遣いを感じる。アメリカやヨーロッパで見られる極端に貧しい人たちはいなく、盗難の心配も欧米ほどではない。
通学には、特に部屋に帰る時は片側4車線の道路を横切らなければならず、少し危険である。

8. 現地での生活

● Wi-Fi
Wi-Fiは、UAE大学と Tawam病院にそれぞれある。使用するためには、各担当者に話しをする必要がある。特に、UAE大学は手続きに時間がかかり繋がるまで数日かかった。

● 携帯電話
携帯電話を買うと良い。150AEDで電話はできる。携帯電話がないと、何処でもWi-Fiが繋がるわけではないので連絡手段が無く、困ってしまう。

● 生活費
田村 俊文
物価はあまり日本と変わらないように感じた。また、水の値段がとても安く、日本円で数十円ほどであった。タクシー代も安かった。

山中 洋
物価は少し安いから、日本と同じくらいで見積もったら十分。ファーストフードはほとんど同じ。個人的には生フルーツジュースをオススメ、12AEDぐらいと食事を考えると値段がはるように感じるが、その価値はある。

● 買い物
Jimmy Mall、Ain Mall、Mall と近くに3つある。Jimmy Mall は、タクシーで片道20AEDで行け、必要なものは揃う。Ain Mall は1番大きい。帰りはタクシーで「Abu Dahbi University」と言うと良い。

● 結婚式
山中 洋
結婚式は男性と女性で別れて行う。したがって、出会いはない。かつて異なる場所で同時に結婚式を開催していたが、現在は簡素化して同じ会場で時間をずらして行う。4時から7時は男性側の結婚式を、8時から11時は女性側の結婚式を行う。その後、女性側の結婚式の終了を待っていた男性側の親族とともに車でクラクションを鳴らしたり、ドリフトしたり、花火をあげたりしながら、家に帰る。この時、きちんと政府の許可を得て道を閉鎖して行う。男性側結婚式後、親族でご飯を食べた。この時、子ヤギがあった。鶏肉に近い食感で、美味しかった。