【海外留学報告】ハンブルク大学(ドイツ)小野 康平

医学部医学科 小野 康平
留学先:ハンブルク大学(ドイツ)
実習期間:2019年7月1日~7月12日(2週間)
留学の種類:北海道大学医学部医学科(医学教育・国際交流推進センター主導)トライアル派遣
留学時の年次:6年次

1. 事務手続き

A. 実習の申込登録・確定までの流れ

メールにて先方のBeate Schmidtさんという方と連絡を取り合うことによって話が進んでいきました。(Schmidtさんが休みの時はAndersonさんという人が代わりに連絡をとってくれました。)

5年次の7月末頃:トライアル留学の申し込みメール
5年次の10月頭頃:留学に必要な書類がメールにて送られてきた
5年次の3月頃:必要書類(第一段)を提出し、受理された
6年次の5月頃:必要書類(第二段:こちらは実習が始まる3ヶ月前からしか提出できないもの
:主に保険や診断書)を提出し、正式に留学が確定した

B. 実習場所

実習場所:UKE (Universitätsklinikum Hamburg-Eppendorf)
     ハンブルク・エッペンドルフ大学医療センター
診療科名:Radiology
実習期間:2週間 (2019年7月1日〜2019年7月12日)

C. 航空券

• 行き
新千歳→成田(6/28 発)
成田→ハンブルク(6/28 発→6/28 モスクワ着 6/29 発→6/29 ハンブルク着)

• 帰り
ドゥブロブニク→成田(7/17→7/17 14:05ワルシャワ着 7/17→7/18 成田着)
成田→新千歳(7/18 10:20発→7 /18 12:05着)

D. 宿泊場所

実習期間は2週間のため大学から徒歩10分程度のゲストハウスを貸していただきました。
通常1ヶ月の場合は寮を貸してくれるそうです。できれば1ヶ月でお願いしたいと言われました。

E. ワクチン

1. tuberculine test
2. Hepatitis-C-serology
3. Hepatitis-Bs-antigen
4. Hepatitis-Bc-antibodies
5. Hepatitis-Bs-antibodies
6. Swab of the nose MRSA
7. Swab of the throat MRGN

H. ビザ

不要

2. 実習内容

ドイツの放射線科はまず、RadiologyとNeuroradiologyという2つの分野に分かれています。
僕はRadiologyの方に行きました。ちなみに担当医は山村先生という日本人の医師でした。
Radiologyはさらに以下のように5つのグループに分かれていて、上級医も専門に関係なく5つのグループをローテーションで回るスタイルでした。

1. 単純X線
2. CT
3. IVR
4. 核医学
5. CTが必要かどうかを見極めるグループ
(ドイツでは被曝に関して日本よりも厳しく捉えていると山村先生はおっしゃっていました。)

実習期間が2週間だったので先生も配慮してくださり、自分で見たいところを選んでそこに行ってくださいと言われました。ですので、僕は

1週目:単純X線
2週目:CT

というような感じで実習をしました。

• 実際の実習内容

8:00〜のTeaching Conferenceに参加し、その後はフリーで読影室で実際に読影している先生の横でどのように読むのかを英語で教えてもらいました。
どの先生もTaskはいっぱいある中でも、暇そうに見ている僕の相手をしてくれました。
自分から聞きに行くのが大切だと思い身構えていましたが、思ったよりも先生から話しかけてくれ、とても雰囲気の良い場所でした。

医学英単語を勉強していったので説明してくれたことはわかりましたが、仮に勉強していなかったら正直絶望的です。もしトライアル留学を考えている人は英会話ももちろんですが、医学専門用語を英語で勉強するべきだと思います。

僕は『トシ、1週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい。できなければ解雇よ。』という本を2周し、その後医学英語検定3級の単語の部分を勉強しました。これらをやると先生が何を言っているか分かるレベルにはなります。自分で説明するまではなかなか難しかったです。

• ハンブルク大学のRadiologyと北大の放射線診断科の違いについて

僕は選択実習の第2クールに4週間放射線診断科を回っていたのでその時と比べた違いに注目しながら実習をしていました。
北大の放射線診断科が体幹部、ニューロ、IVR、核医学の4つのグループに分かれているのを前提にお話していきます。

1週目の単純X線の実習で感じた違いについて

まず、北大よりも単純X線で異常のある画像が多かった気がします。というのも北大の体幹部グループではほとんどCT所見を読影しており、単純X線はおそらく各科の先生方が読影しているのだと思います。

次に2週目のCTの実習について

CTの実習で感じた違いとしては、北大に比べて矢状断と冠状断をしっかり見ていた印象があります。
僕の勝手な考察ですが、3次元的に病変を理解することを大切にしたいたのだと思います。自分も画像を読むときに取り入れようと思いました。

最後に、オフィスの違いについて

一番紹介したいのはこちらです。
北大ではトップの工藤先生しか使っていない、ボイスレコーダーでカルテを入力していく画期的な機械です。これがすべてのデスクにありました。これは放射線診断科に関係なくすべての科に導入すべきだと感じました。あとはオフィスが非常に広く快適です。北大の放射線診断科の読影室よりもかなり広々していました。人数の関係があるのでこれはしょうがないと思いますが。

以上が2週間の病院実習の話です。

3. 実際にかかった費用

A. 交通費

• 行き
  新千歳→成田:13,310円
  成田→モスクワ→ハンブルク:94,980円

• 帰り
  デュッセルドルフ→ドゥブロヴニク:7,293円
  ドゥブロヴニク→ワルシャワ→成田:69,210円
  成田→新千歳:15,510円

• その他
  札幌→新千歳:1,200円(バス)
  SVO↔モスクワ(ホテルまで):1,100ルーブル

B. 宿泊費

ロシアでのトランジット中の宿:14,822円
ハンブルクでの宿:300€

C. 生活費

朝:2€程度(パンとトマト、レタス、サラミなど)
昼:4€程度:カフェテリア(メンザ)にて
夜:自炊している時は2〜3€程度、外で食べる時は10€くらいすることが多いです。
→自炊すれば1日10€くらいには抑えることはできそうです。
日用品については洗剤やシャンプー、石鹸などは持参したためかかってないです。
かかるとしても日本のスーパーで購入するのと変わらないかと思います。

D. その他手続きにかかる費用

診断書提出にあたって足りない項目の検査:4,740円
海外保険:9,580円