【海外留学報告】ミュンヘン大学(ドイツ)大田 光貴

医学部医学科 大田 光貴
留学先:ミュンヘン大学(ドイツ)
実習期間:2019年6月17日~7月12日(4週間)
留学の種類:北海道大学医学部医学科(医学教育・国際交流推進センター主導)トライアル派遣
留学時の年次:6年次

1. 事務手続き

A)提出書類の準備、実習の申し込み、登録・確定までの流れ

6月〜7月にかけてミュンヘン大学への派遣学生の募集が行われました。

定員2名の枠に2名の応募がありました。医学教育・国際交流推進センター国際連携部門に留学の意思を伝え、派遣していただけることが確定しました。

8月にミュンヘン大学の教務からelective periodとpreferred fieldについてのメールが送られて、やり取りを重ねました。

翌年4月には健康調査票やドイツで実習を行うために必要な書類など記載すべき書類がメールで送付されました。しかし、この時はなかなかミュンヘン大学の教務からの返信が頂けず、正式に受け入れが決定したのは出国日の約2週間前でした。

B) 実習場所

大学名:Ludwig Maximillian Universität(ミュンヘン大学)
病院名:Klinikum Groshadern/Orthopedic
実習日数:4週間

C) 航空券

利用便:カタール航空(新千歳発、羽田・ドーハ経由)
出発日:6月14日
帰国日:7月16日

D) 宿泊場所

the center room hotel & apartment Münich messe
(Address:Stahlgruberring 4 munich 81829)
ホテルから実習先の病院までは地下鉄を乗り継いで約1時間程度
空港からホテルまでも1時間前後の時間がかかりました。

E) ワクチン

ミュンヘン大学での実習に際して先方から麻疹風疹、水痘、百日咳、ジフテリアワクチン、A型肝炎のワクチン、B型C型肝炎のrule outが求められました。

F) ヘルスチェック

ワクチン情報に関して英語の証明書を提出しました。

G) ビザ

今回の滞在ではビザの取得は必要ありませんでした。

H) その他重要な事務手続き

その他の書類としては北海道大学での成績証明書の提出が求められました。

2. 実際に実習にかかった費用

A) 交通費

新千歳〜ミュンヘン往復(カタール航空:羽田、カタール経由) 133,540円
ホテル〜ミュンヘン大学病院までの地下鉄 18,974円

B) 宿泊費

Center room hotel 30泊 118,904円

(同時期にミュンヘン大学に留学した濱津と同じ部屋を借りたため二人合わせては237,809円)

宿泊に関しては、“日本人ミュンヘン掲示板”で検索するとミュンヘン在住の日本人の方が余っている部屋を格安(私が連絡をとった人は月7万円程度)で貸し出してくれているサイトが見つかったので、安く部屋を借りたい人はそちらからコンタクトを取ってみるといいかもしれません。ただ、そちらは1人用の部屋だったため今回は利用せず、hotels.comを利用して宿泊の予約をしました。Airbnbを通してもミュンヘン中心部に近く格安の部屋を予約できる場合があるので、探してみるといいと思います。

C) 生活費

食事は自炊が中心で、時々外食をしました。ミュンヘンはパスタやパンなどの小麦製品、ソーセージなどの肉類はスーパーで安価で購入することができましたので自炊は1食あたり300円以内には収まっていた印象です。

外食時は場所によってまちまちですが1,000円から3,000円程度かかりました。昼食は病院の食堂で約400円程度で食べることができました。ですので外食をしない日の食費は1日あたり1,000円しない程度だったと思います。1ヶ月にかかった食費は計算してみたところ約40,000円程度でした。

D) 渡航に際しての準備費用

ドイツの1ヶ月の滞在はビザが必要ないのでビザ代はかかりませんでした。
ワクチン代、血液検査代を合計すると29,160円となりました。
また海外旅行保険に加入しました。30日間保障で13,340円でした。

3. 実習内容

実習は基本的に朝7時半病棟に集合で、朝回診について行きました。その後は曜日によってそのまま外来に行くか、手術室で手術の見学をするかの2択でした。

外来では下肢、脊椎、上肢とさまざまな外来を見学させていただき、身体診察は時間があれば実際にやらせて頂くこともできました。基本的には全てドイツ語で問診などをしていきますが、時々ドイツ国外からの患者さんも来ておりその時は英語で問診をしていました。手術は1日2件から3件程度見学させていただき、一度だけガウンをきて入らせていただきました。手術見学中でも今している処置のことを細かく教えてくださり、あまり放置されることはありませんでした。その後15時からのカンファレンスに出席して毎日15時半には解散という流れでした。基本的にはドクターは全てドイツ語で会話していますが、適宜英語で何をやっているか説明してくださるので、そこまで不自由は感じませんでした。

金曜日は例外的に13時からカンファレンスがあり13時半には実習が終わったのでドイツ国外に旅行をしたりしていました。

空いた時間は病院のカフェでゆっくりしたり散歩したりしていました。病院の敷地自体もとても大きく、散歩もいい時間つぶしになりました。

昼食ですが、私が行っていたKlinikum Groshadernでは大きな食堂(職員と患者さん共用)があり、毎日3.5€でかなりの量の昼食をとることができます。4種類の定食が毎日日替わりで出てきます。バイエルン地方の郷土料理(Schweinehaxeなど)もよく出てきて、そこで地元の料理をよく食べていました。味は美味しいです。おそらく3.5€でここまでの量の昼食を食べることができるのはなかなかラッキーだったと思います。ただ同じくミュンヘンに行った濱津が実習した病院ではこのような食堂はないようでしたので、派遣される病院によって昼食事情は異なってくると思います。

今回実習させていただいた病院。1500床以上ある大きな病院でした。

4. 感想

今回の実習では、日本とドイツの病院の雰囲気の違いを感じられ、今までの学内での病院実習とは違う新鮮な気持ちで臨むことができ楽しかったです。またヨーロッパに1か月拠点をおいて生活をするのも初めての経験でしたので、毎日楽しく生活することができました。

ミュンヘンは他の大きな都市からちょうど良い場所に位置していることもあり、週末はオーストリアやチェコなどに旅行に行くこともできました。またバイエルン地方の鉄道旅行であれば1日格安(1人だと25€、人数が増えるにつれて値段が安くなっていく)で旅行することもできます。鉄道ではノイシュバンシュタイン城やニュルンベルクまで行きました。

今回の留学を通して苦労したことは、相手の教務とのやり取りがなかなか進まなかった点です。最終的に私の実習先の病院の詳細が送られてきたのはすでにミュンヘンに到着してからで、その時にはすでにホテルも取ってしまっていたため、ホテルから病院まで毎日1時間の距離を通うことになってしまいました。それ以外にも重要書類の提出などは直前になって提出を求められたため、留学前は少しばたばたしていました。今回の留学に関しては海外の大学とやり取りする場合はこちらからイニシアチブをとって事細かに現在の進捗状況を確認していく必要があると感じました。学生の自分が状況を尋ねても返信をもらえないことも多かったので積極的に上の立場の先生を頼ることも必要だと感じました。(実際に村上先生からメールを送信していただいた時はすぐに返信をいただけました。)
ですので、この経験から学生と留学先の大学とのやりとりについては学生と先生との間でやり取りを密にしていくと後々に困った状況になるのは少ないのかなと考えました。

最後になりますが今回、留学に際してお世話になった医学教育・国際交流推進センターの先生方、医学科教務の方、その他大勢の先生方、本当にありがとうございました。