今回で48回目を迎えるFDのテーマは、毎年この時期に行われることが恒例となっているカリキュラム・プラニングであり、本研究院で教育に携わる教員のうち、医学教育カリキュラムを学んだ経験がない教員(特に初めて医学教育を担当する教員又はこれまでFDに参加したことのない教員)を主な対象者として、カリキュラムの立案方法についての理解を深めることを目的として、ワークショップ形式で実施された。
最初に、今年6月1日付で医学教育・国際交流推進センター統括副センター長として着任した高橋教授より挨拶があった。
その後、同センター医学教育研究開発部門専任教員の村上助教より、カリキュラムの構成要素とシラバス、並びに、学習目標の設定に関する説明があり、引き続き、参加者によるグループ作業を行っていただいた。次に、同じく村上より、方略・評価に関する説明があり、引き続き、参加者によるグループ作業を行っていただいた。グループ作業では、ファシリテーターとして高橋に加え同センター医学教育研究開発部門の佐藤教育助教も参加した。今年度は医学英語をテーマに、カリキュラムの立案を体験していただいた。グループ作業並びに討論の後には、同センター医学英語教育部門専任教員のホウマヌ・ゴウダルジ助教から、実際に医学英語演習の授業を担当している立場として、参加者に対してコメントがあった。
休憩を挟んで、今度は、参加教員がカリキュラム・プラニングを行う立場ではなく、実際に現場で教育する立場としてスキルアップを図るマイクロ・ティーチングが行われた。マイクロ・ティーチングとは、1人の参加教員が指導者役として、他の参加教員を聞き手役(学生や研修医など)に見立てて短時間の模擬授業を行い、その様子を動画で撮影するもので、指導者役はそれを視聴して自分の授業を振り返り、聞き手役は指導者役に対して建設的なフィードバックを行うことによって、互いの教育レベルの向上を図る方法である。まず、高橋よりマイクロ・ティーチングの説明があり、参加者が模擬授業の準備をした後、順番に模擬授業とそのフィードバックを体験していただいた。短時間の準備にも関わらず、どの模擬授業も素晴らしく、ネガティブなフィードバックは無理に作るほどであったが、参加者それぞれに授業改善への気づきが得られたようである。
最後に、高橋から総括と、参加者へ修了証が授与され終了となった。
質疑応答も活発に行われ、参加者の医学教育への関心の高さが伺えた内容であった。
R1年度 第48回医学研究院・医学部FD
テーマ:カリキュラム・プラニング
実施日時:令和1年6月25日(火)13:20~17:00
場所:北海道大学医学部中棟5階5-2共通セミナー室
参加教員数:5名(他、タスクフォース4名)
(記録者 高橋誠・村上学)