今回で50回目を迎えるFDのテーマは,2年後の受審が決まっており本学にとって最重要課題として位置づけられている「国際認証」であった.医学研究院及び北海道大学病院の教職員を参加対象者として,受審の意義や目的をご理解いただき,今の本学に不足しているものを洗い出すことによって,受審に向けて本学がとるべき方策についてのキックオフ的な議論を行う目的で,1泊2日の宿泊を伴うワークショップ形式で実施された.
最初に,大学から移動するバスの中で,事務説明ならびに参加者からの自己紹介が行われ,会場到着後,吉岡研究院長の開会挨拶,髙橋統括副センター長によるオリエンテーションに引き続いて,すぐにプログラムが開始された.
初日は,大きく三部で構成され,参加者の教員全員が4グループに分かれ,司会・書記・発表者の三役を参加者全員が交替で担う形でグループワークが行われた.最初のパートⅠでは,国際認証の背景的な説明の後に,本学の医学教育の現状を確認・分析し,不足のある水準部分を洗い出す作業が行われた.集合写真撮影と昼食休憩を挟み,全体発表・討論の後、坂本医学科教務委員会委員長と髙橋統括副センター長によるカリキュラム委員会(設置の必要性・背景と,骨子・内規)に関するミニレクチャーが行われた。続いてパートⅡでは,実行可能な改善策を検討するため,パートⅠで検討した水準について改善が必要な点と改善策を検討するための作業が行われた.そして最後のパートⅢでは,国際認証の事務的なプロセスの説明の後に,パートⅡまでで検討された改善策を具体化するための組織・会議体,及び,実行に必要な人的・物的資源について検討する作業が行われて,夕食休憩となった.
夕食後は,懇親会の名物となっているディベートが開催され,折茂教育助教を司会者として,「臨床実習での医学生の9時5時是か非か」で大いに盛り上がった.ディベートの後にも,数多くの参加者が最後まで懇親会場に残り,互いの教室での研究内容や自身の関心領域などについての情報交換を熱心に行っていた.
2日目は,髙橋統括副センター長の司会進行で,前日のまとめと,アクティブラーニングの実際としてTBL (Team-based learning) のミニレクチャーと実体験が行われた.
最後に吉岡研究院長から修了証の授与,畠山副研究院長から閉会挨拶の挨拶があり,バスで帰途についた.
今回のFDは、学部としての意思決定を要する課題を議論するため、教授職の教員が多数参加するこれまでにないFDとなった。国際認証受審に向けての叩き台となる重要な意見が数多く出され,質疑応答も活発に行われ,参加者の医学教育への関心の高さが伺えた内容であった.
R1年度 第50回医学研究院・医学部FD
テーマ:国際認証
実施日時:令和1年8月9日(金)8:40 ~ 10日(土)11:30
場所:札幌北広島クラッセホテル(北広島市)
参加教員数:32名
(記録者 髙橋誠・村上学)